帰ってきたヨガ日記(ヨガはしない)

高幡という人が書いています

今年はいろいろあった


個人的な悲しかった話をするけれど、結論としては「みんな健康診断は受けよう」というお話です。


先日、母が永眠しました。

10月の末あたりから落ち着かずなんやかんやしていたのは、法事で実家に帰ったりしていたからでした。法事で実家に、と言っても喪主などの大変な実務はほとんどすべて兄がやってくれたので、その横で手伝いをしている程度で、実家で過ごしていた時間の多くはぼんやりと母のことを考える時間でした。

母はスーパーマンでした。スーパーウーマンか。
うちは共働きの男兄弟二人だったけれど、子育てのために公務員とはいえ日勤夜勤があって通勤に2時間近くかかる仕事を40年以上勤めあげ、その間に炊事洗濯家事裁縫など家のこともすべて一人でこなし、息子が少年野球をやれば土日にはその準備で早朝から用意をしたり移動用の車を運転、体も丈夫で大きな病気はしたことがないような人でした。


僕の友人が家に遊びに来て泊まったりすれば、翌朝には朝食まで用意してくれていたりして、年齢の割に身長が高くて頑丈そうな体をした母を見た友人は「オーガみたいなお母さん」とまで言っていました。
とにかくそんな母で、少し前までは丈夫そのもの、まさに鋼鉄製の体をもったスーパーウーマンでした。
祖父も祖母もなかなかに長寿で大往生だったので、頑丈な母もきっと同じように大往生であと20年くらいは軽く生きるんじゃあないだろうかと思っていました。ずっと。

昨年の年初に僕は結婚をしました。その年の秋の終わり、丁度一年前の今頃、兄と父がインフルエンザにかかりその名残をもらったのか母も風邪をひきました。なかなか咳が止まず風邪が長引いていると思ったものの、念のためと受けた検診で肺に影があると告げられたそうです。

そのタイミングで母からはLINEが来ていて、「今度実家に来るときはいつになるのか」「検診で肺に影があるらしいけど、今度詳細検査するからまた連絡する。大丈夫だと思う」といった内容でした。

詳細検査の結果が出たのはいつ頃だったか、年の瀬も近くなっていたころだった気がします。
肺がんでした。STAGE4、末期の肺がんで手術による除去は不可能な段階だったそうです。
このあたりの詳細は主治医から兄が聴いており、「母には伝えていないけれど」という前置きで電話で教えてくれました。

 

そこからの1年は毎月帰れる時には実家に帰り、家族との時間を過ごしました。
あのスーパーウーマンだった母も流石に病には勝てなかった。日に日に痩せていくのは、「ああこれは癌なんだ」という実感を日に日に突き付けてくるようでした。その時間があったからこそ、いざというときに愕然とすることなく、ある程度の覚悟ができていたという部分もあるかもしれません。

お盆に帰ったときは親戚も集まってくれて、賑やかな中で母も元気に笑っていました。

いろいろな抗がん剤や免疫療法なども試したものの、母の癌の進行が止まることはありませんでした。
主に肺が侵されていたため、呼吸もつらい状態になり、最後の方は喋ることも大きな負担になっていました。
それでも亡くなる1,2日前まで自分で起き上がり食事を作り、食事を食べ、とにかく体力が必要だからとできる限りのことをしていました。
そんな中でもLINEでは頻繁に会話をしてくれました。その母はとても元気そうで、逆にこちらを心配したり励ましたりしてばかりでした。つくづく強い人だった。

 

主治医からは「半年後の生存率50%」と言われていた母は、持ち前の体力がよかったのか1年も生きてくれました。
いや、生きてくれたというのは誤魔化しているのかもしれません。正直なところはもっともっと生きていて欲しかった。
孫を見せたかった。毎年家庭菜園で採れた野菜を食べに帰りたかった。料理に興味も出てきたんだ、まだまだ料理を教えて欲しかった。

 

最後に眼を閉じる前の母と話をしたとき、すでに呼吸することすら辛いのに掠れた声を振り絞って「好きなことをしろ」「お嫁さんを大切にしろ」「それですべて大丈夫」と言われてしまいました。言われたかったことをすべて言われてしまった。最後の最後まで心配をかけてしまい、それなのに息子の言われたいことを言うなんて、なんてすごい人なんだと言葉に詰まってしまって、うまく返事ができなかった。


母は2年前にやっと仕事を退職して、さあこれから悠々自適の楽しみだというところでした。
退職する前までは職場で受けていた健康診断を、たまたま退職後は2年弱の間受けていなかった。
どうやらその間に肺がんは発症していたようです。肺がんは進行が速いらしいので、どのタイミングで受けていれば結果が変わったか、そんなタラレバを考えても仕方がないけれど、まあやっぱり、なにもそんなタイミングで発症しなくても、というのは病症が判明した時は考えてしまいました。


自分含めて僕の周りでも不健康な人は多いけれど、やっぱり健康診断は適切に受けた方がいいです。きっと。


この記事はなんとなく気持ちの整理にもなるかなあとダーっと書きなぐったので、後で修正したり消したりするかもしれません。わからん。

今際の際の母にまで「好きなことをしろ」なんて言われてしまって、まいったなあ。
きちんと好きなことを見つけて、好きなことをしないといけないな。

にしても、母のことに限らず今年はいろいろとありすぎた。年末に向けてそのいろいろを気持ち共々少しずつ整理をして進めるように頑張りましょう。やるぞー。